美術講座のご報告

第二十七回「ルネサンス美術講座」
  ラファエロは教皇宮に何を描いたのか
   ダンテの「神曲」とラファエロの壁画
           7月16日(土) 多摩美術大学 松浦弘明教授

教皇ユリウス二世の書斎であるヴァティカン宮殿の署名の間の壁画、天井画などを依頼されたラファエロは、何を主題に描いたのか、今回はダンテの「神曲」の要旨の説明から始まりました。 「神曲」で、地獄から煉獄を経て天国へと向かい、最後は「三位一体の神」に向き合うところまでを描いたダンテは、署名の間の北側「パルノッサスの山」と西側「聖体の論議」に描かれている。 ダンテの描かれている位置から署名の間の各側壁の装飾を見ました。
この部屋の装飾プログラムは、論理的な思考による真理の探究と、美と正義(法)の探究、ルネサンス以前の2つの異なる文化、ギリシャ・ローマの古代文化とキリストの世界の融合で、 メインテーマは、「真理の探究」では、という結論で、教皇ユリウスが尊敬していたプラトンの「国家」に基づく理想のリーダーになるために必要な文献学の可視化では、というお話でした。


ヴァティカン美術館 「署名の間」

次回は9月10日(土)、「若き日のミケランジェロ」です。